Clásicos japoneses con furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lee 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 306.118 caracteres · 613 pantallas
三
――これへ大兵が来る。
との報らせは、次々に告げて来る者の口から、その装備、兵数、旗じるしなど、すぐつぶさに知れた。
兵数は、およそ二万余と聞えた。
前に、頼朝が安房にいた時、逸早く返書をよこして、
――お迎えに参向する。
と、味方を約し、落魄の頼朝を、第一に歓ばせてくれた上総介広常の軍勢だった。
二万。
という兵数を聞いただけでも、諸将の面上には、包みきれない歓喜が漲って、
「ほ、ほう……」
と眼をかがやかした。
「この有力な大軍が、お味方に加わるからには」
と、きょうの暁天から、源氏の運勢が革まるような思いを誰も抱いていたのである。
その朝空は、隅田川の水ひとつに、うっすらと白みかけていた。
広常の大軍は、隅田の宿あたりを境に、河原から野へ亙って、雲のように、止まっていた。
そして夜明けの光を見ると、その中軍から、赭ら顔で髪の真っ白な老将が、一門の騎馬武者たちに囲まれ、二十名ほどの兵卒を先駆として、ゆるやかに駒をすすめて来るのが見えた。
「オオ。上総介殿が来られる。ごあいさつに見えられる」
頼朝の営外に立っている兵たちは、小手をかざしながら、新しい味方の堂々たる威風を、頼もしげに眺め合っていた。