Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
ぼくとうきだん
濹東綺譚
永井 荷風
Lee 濹東綺譚 (ぼくとうきだん) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 57.666 caracteres · 114 pantallas
わたくしは毎年冬の寝覚に、落葉を掃く同じようなこの響をきくと、やはり毎年同じように、「老愁ハ葉ノ如ク掃ヘドモ尽キズ※(「くさかんむり/(嗽-口)」、第4水準2-86-69)※(「くさかんむり/(嗽-口)」、第4水準2-86-69)タル声中又秋ヲ送ル。」と言った館柳湾の句を心頭に思浮べる。その日の朝も、わたくしは此句を黙誦しながら、寝間着のまま起って窓に倚ると、崖の榎の黄ばんだ其葉も大方散ってしまった梢から、鋭い百舌の声がきこえ、庭の隅に咲いた石蕗花の黄い花に赤蜻蛉がとまっていた。赤蜻蛉は数知れず透明な其翼をきらきらさせながら青々と澄渡った空にも高く飛んでいる。
曇りがちであった十一月の天気も二三日前の雨と風とにすっかり定って、いよいよ「一年ノ好景君記取セヨ」と東坡の言ったような小春の好時節になったのである。今まで、どうかすると、一筋二筋と糸のように残って聞えた虫の音も全く絶えてしまった。耳にひびく物音は悉く昨日のものとは変って、今年の秋は名残りもなく過ぎ去ってしまったのだと思うと、寝苦しかった残暑の夜の夢も涼しい月の夜に眺めた景色も、何やら遠いむかしの事であったような気がして来る……年々見るところの景物に変りはない。