Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
ぼくとうきだん
濹東綺譚
永井 荷風
Lee 濹東綺譚 (ぼくとうきだん) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 57.666 caracteres · 114 pantallas
三
やがて稲妻が鋭く閃き、ゆるやかな雷の響につれて、ポツリポツリと大きな雨の粒が落ちて来た。あれほど好く晴れていた夕方の天気は、いつの間にか変ってしまったのである。
わたくしは多年の習慣で、傘を持たずに門を出ることは滅多にない。いくら晴れていても入梅中のことなので、其日も無論傘と風呂敷とだけは手にしていたから、さして驚きもせず、静にひろげる傘の下から空と町のさまとを見ながら歩きかけると、いきなり後方から、「檀那、そこまで入れてってよ。」といいさま、傘の下に真白な首を突込んだ女がある。油の匂で結ったばかりと知られる大きな潰島田には長目に切った銀糸をかけている。わたくしは今方通りがかりに硝子戸を明け放した女髪結の店のあった事を思出した。
吹き荒れる風と雨とに、結立の髷にかけた銀糸の乱れるのが、いたいたしく見えたので、わたくしは傘をさし出して、「おれは洋服だからかまわない。」
実は店つづきの明い燈火に、さすがのわたくしも相合傘には少しく恐縮したのである。
「じゃ、よくって。すぐ、そこ。」と女は傘の柄につかまり、片手に浴衣の裾を思うさままくり上げた。
三
稲妻がまたぴかりと閃き、雷がごろごろと鳴ると、女はわざとらしく「あら」