Clásicos japoneses con furigana
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ぼくとうきだん
濹東綺譚
永井 荷風
Lee 濹東綺譚 (ぼくとうきだん) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 57.666 caracteres · 114 pantallas
長女芳子と季児為秋の成長するに従って生活費は年々多くなり、種田は二三軒夜学校を掛持ちして歩かねばならない。
長男為年は私立大学に在学中、スポーツマンとなって洋行する。妹芳子は女学校を卒業するや否や活動女優の花形となった。
継妻光子は結婚当時は愛くるしい円顔であったのがいつか肥満した婆となり、日蓮宗に凝りかたまって、信徒の団体の委員に挙げられている。
種田の家は或時は宛ら講中の寄合所、或時は女優の遊び場、或時はスポーツの練習場もよろしくと云う有様。その騒しさには台所にも鼠が出ないくらいである。
種田はもともと気の弱い交際嫌いな男なので、年を取るにつれて家内の喧騒には堪えられなくなる。妻子の好むものは悉く種田の好まぬものである。種田は家族の事については勉めて心を留めないようにした。おのれの妻子を冷眼に視るのが、気の弱い父親のせめてもの復讐であった。
五十一歳の春、種田は教師の職を罷められた。退職手当を受取った其日、種田は家にかえらず、跡をくらましてしまった。
是より先、種田は嘗て其家に下女奉公に来た女すみ子と偶然電車の中で邂逅し、其女が浅草駒形町のカフエーに働いている事を知り、一二度おとずれてビールの酔を買った事がある。