Clásicos japoneses con furigana
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ぼくとうきだん
濹東綺譚
永井 荷風
Lee 濹東綺譚 (ぼくとうきだん) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 57.666 caracteres · 114 pantallas
そうそうたしか芳譚雑誌がありました。揃っちゃ居りませんが。」
「為永春江の雑誌だろう。」
「へえ。初号がついて居りますから、まアお目にかけられます。おや、どこへ置いたかな。」と壁際に積重ねた古本の間から合本五六冊を取出し、両手でぱたぱた塵をはたいて差出すのを、わたくしは受取って、
「明治十二年御届としてあるね。この時分の雑誌をよむと、生命が延るような気がするね。魯文珍報も全部揃ったのがあったら欲しいと思っているんだが。」
「時々出るにゃ出ますが、大抵ばらばらで御在ましてな。檀那、花月新誌はお持合せでいらっしゃいますか。」
「持っています。」
硝子戸の明く音がしたので、わたくしは亭主と共に見返ると、これも六十あまり。頬のこけた禿頭の貧相な男が汚れた縞の風呂敷包を店先に並べた古本の上へ卸しながら、
「つくづく自動車はいやだ。今日はすんでの事に殺されるところさ。」
「便利で安くってそれで間違いがないなんて、そんなものは滅多にないよ。それでも、お前さん。怪我アしなさらなかったか。」
「お守が割れたおかげで無事だった。衝突したなア先へ行くバスと円タクだが、思出してもぞっとするね。