Clásicos japoneses con furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lee 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 188.242 caracteres · 380 pantallas
邯鄲男、痩男、泥眼、不動、弱法師、岩壁に懸けられて夢見ていた、二百の面が彼女を見た。
見られて恥ずかしい姿ではなかった。
※々たる発光体! それが彼女の姿であった。
部屋の暗さにいよいよ白く、彼女の五体は背延びをした。
と、また彼女は身をかがめた。
小桶に水を一杯充たせた。
ザ――ッと水の音がした。
またも彼女の裸体へは、右の肩から簾が懸かった。
二百の面は眼を見張った。溜息の声が聞こえて来た。二百の面の溜息であった。
四散する泡沫が灯火に光った。もちろんほんの一瞬間であった。すぐ煙りのように消えてしまった。
彼女は白布で体を拭いた。ポッと紅味が潮して来た。瑪瑙の仙女像が出来上がった。その仙女像は半透明であった。
まことに仙女の水浴であった。邪心の起こるべき光景ではなかった。
「坊やおいで」
と彼女は云った。
それから錦の帳を開いた。二人は隣り部屋へはいって行った。
手術部屋ではあったけれど、同時に彼女の寝室でもあった。
二人は一緒に十日暮らした。
寝る時二人は一緒に寝た。姉弟として寝るのであった。
訪問客は少なかった。裾野に春が訪れて以来、めっきり物騒になったからで、裾野を横切り月子を訪ね、顔を直して貰うことは、容易な業ではないからであった。