Clásicos japoneses con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lee 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 410.131 caracteres · 824 pantallas
般若の五郎は、金五郎がいくら訊ねても、逢えばわかる、というきりで語ろうとしないし、ただ、深刻な顔つきで、「びっくりしないで下さいよ」というばかりなのだった。しかし、その謎めいた言葉も、五郎のいうとおり、逢いさえすれば、一切が氷解する。
金五郎が立ち止まったのは、仲店の一軒に、たくさん並んでいるライターを見つけたからだった。
「そこのガラスの中のを、一箇くれませんか」
「これでございますか?」
「そうです」
金五郎は、唐突に、不可解な昔日の回想に捕われていた。大都会の雰囲気の植えつけた中古の感傷かも知れない。ライターはもはや珍しいものではなくなっている。若松でも売っているのだが、今、嘗て、青春の日に、マンにあたえた「懐中ランプ」と寸分たがわぬ形の品を発見して、足がすくんだのである。
(マンの土産にしよう)
天の啓示のように、思い定めたのであった。
財布を出して、金を払った。
仁王門の両側に、巨大な仁王が二体、夜目にも光る恐しい団栗眼をひんむいて、立ちはだかっている。山門の中心からは、これも巨大な一足の草鞋と、赤提灯とがぶら下げられてある。なにもかも大きいものずくめだ。