Clásicos japoneses con furigana
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
Lee 負けない男 (まけないおとこ) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 98.799 caracteres · 202 pantallas
難なく取っ捉えて、ハッハヽヽ」
「何うした?」
「僕は既に胸中窃かに決するところがあったんだ」
「何を?」
「怪我をする決心さ。その日立つんで、支度をしていたが、何うも別れが惜しい。前の晩奥田君が引き止めたのに、キッパリ断った後だから、今更延す口実がないんだ。窮余の一策、即ち足を踏み辷らして、あッと言いさま、庭へ飛び下りた」
「成程」
「美事右の足首を挫いて、全治一週間乃至十日間という大怪我さ」
「親不孝な奴だなあ」
「しかし見識上仕方がない」
「怪我をするのが見識かい?」
「然うさ。怪我をすれば不可抗力で出発が延ばせる」
「斯ういうのに見込まれちゃ敵わない。当然の権利として道子さんに介抱して貰ったんだろう?」
「うむ。捉えてくれと言った責任がある。大切にしてくれたよ」
「その中に情意投合したんだね」
「さあ。お互に憎からず思うようになったのさ」
「僕はもう失敬する」
「まあ宜いじゃないか?」
と堀尾君は引き止めた。
「真面目腐って、手放しはひどいよ」
「実際だもの」
「その通りだからね」
「君が所望したからさ。ロマンスといえば、これぐらいのものさ。僕のことだから、何うせ荒い」
「奥田君は君の策に気がつかなかったのかい?」