Clásicos japoneses con furigana
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ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記
吉川 英治
Lee 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 56.947 caracteres · 114 pantallas
平常は京都博物館においてある“道誉の肖像画”を、この日、私たちのため、わざわざ京都からとりよせておいてくれた住持や顕彰会の人々の御好意にまず感謝する。
道誉の画像は、子が父を写したもので、肖像としてこんなに確かなものはない。
つまり一子高秀が、父道誉の還暦に筆をとり、それに道誉自身が、自賛まで添えているのである。貞治五年、ちょうど五百九十五年前の物だ。
――見ていると、道誉が何か話しかけて来そうである。私は私本太平記の中で、私の想像によるその人を書いてきたが、案に相違したとは、ちっとも感じられなかった。初対面でもない気がした。「やあ、君が吉川氏か」「あなたが、佐々木さんですか」「君の私本太平記ではずいぶんぼくをいろんなことにつかったね」道誉氏は微笑している。だが当時の文化人であり婆娑羅な氏は「君はわしのプライバシーをおかしたものとして訴える」なんて顔はどこにもしていない。さすが人間が大きいのである。或る意味で彼は南北朝随一の“時代を通じての怪物”だった。
あんな乱世の中で、茶寄合(茶道の原始的な遊び事)から香道、立花(華道の始まり)などの風流を興していた彼。