Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
したやそうわ
下谷叢話
永井 荷風
Lee 下谷叢話 (したやそうわ) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 122.971 caracteres · 246 pantallas
わたくしは枕山が溝中に墜ちたという事から更にまたその近視眼であった話を想起した。わたくしの父執岩渓裳川先生の『詩話感恩珠』に、枕山と星巌の門人遠山雲如とは倶に近視眼であったことが言われている。枕山雲如の二人は一日黎明に不忍池の荷花を観んことを約し、遅く来たものは罰として酒を沽う責を負うこととした。翌朝二人は暁霧の中に池塘に来ったが、倶に近視眼なので眼前に人影あるを知らず水烟散ずるの後始めて顔を見合せ、互にその遅速を争ったが遂に決するところがなかったという。
枕山は天保六年の秋有隣舎を去って東帰の途に上り、箱根の嶮を踰えんとする時、五言古詩一篇を賦した。わたくしはこの作中「天寒客衣単。朔風逾凛冽。」〔天寒ク客衣単ナリ/朔風逾イヨ凛冽タリ〕の二句を見て、秋は早く山中に尽きてまさに冬ならんとしていた事を知る。わたくしはまた枕山が江戸に著するや否や直に詩界の諸先輩を歴訪し、その詩を示して先輩を驚したことを疑わない。何故というに天保八年の春に梓行せられた『広益諸家人名録』は夙に詩人として枕山の名と住所とを掲げているからである。枕山躬らも後年『安政文雅人名録』