Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lee 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 196.229 caracteres · 389 pantallas

Aozora Bunko

二

あの穴埋め水責めの危機の際に、悪い水を飲んだらしいのです。衰弱したからだに余病を発して、あれからずっと、この川網六兵衛の家に寝たッきりなのだ。

看病するのは、あの痩せ鬼のような左膳。かれのどこに、そんなやさしい心根があるのか、まるでもう親身のようなこまかい心づかい、

それと、この家の娘、お露――。

「あの、御気分はいかがで……」

いまも、そう言って枕もとにいざりよって来たのが、六兵衛のひとり娘お露です。破れ行燈の灯を受けて、手織りのゴツゴツした縞木綿、模様もさだかならぬ帯をまいて、見るかげもない田舎娘ですが……その顔の美しさ! 着飾らして江戸の大通りを歩かせたら、振りかえらぬ人はないであろう。ことにその眼! 今その眼が、艶に燃えているのは、ハテ、どういうわけでありましょう?

二

年齢は十七? それとも八?

ポッと上気した顔を、恥ずかしそうに灯にそむけて、お露は枕もとへ膝をすすめ、

「アノ、もうお薬をめしあがる時刻で……」

「ウム」

やっと腹ばいになった源三郎、のびた月代を枕に押し当てたまま、

「イかいお世話になるなア。あの左膳とともに、あなたの父上にあぶないところを救われてから、もうよほどになる。