Clásicos japoneses con furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lee 光は影を (ひかりはかげを) de 岸田 国士 (きしだくにお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 138.262 caracteres · 276 pantallas
僕のことより、家のことが心配なんだろう。警察へ引つ張られたつてことは、不名誉だと思つてるんだろう」
「誰が?」
「親爺だつて、兄さんだつて……」
「親爺はどうか知らん。おれのことは、そう甘くみるなよ。たゞ、人がどう思おうと、そんなことを気にする方がおかしかないか。まあ、それはそれとして、久しぶりで会つたんだから、一緒に飯でも食おうか」
「…………」
強いて反対もしないので、上野のさる中華料理店でビールを飲み、すこし打ち融けた気分になりかけると、急に、弟の深志はむつつり口を噤んでしまう。が、そのまゝ、二人は、好い加減酔うまで飲むには飲んだ。結局それだけのことである。
弟の強情に遂に兜をぬいで、京野等志は、起ちあがつた。
「さ、もう話もないようだから、おれは帰る。もつと素直になれよ、素直に……。相手の区別がつかんようじや困るな。しかし、おれだつて、そう己惚れてるだけかも知れない。うるさいようだが、なんでも、役に立つことがあつたら、そう言つて来いよ」
勘定を払い終つても、まだ腰をあげようとしない弟の前へ、千円札を二枚おいて、彼はその店を出た。
彼は、たしかに、近来になく酔つていた。