Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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よあけのつじ

夜明けの辻

山本 周五郎

Lee 夜明けの辻 (よあけのつじ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 42.801 caracteres · 86 pantallas

Aozora Bunko

「拙者はそうたやすくは死にません。また死ぬことを怖れてもおりません……御家老、また改めて御意を得ます」

「待て。どうしても会いたいならわしが手紙で呼び出してしんぜよう。そのもとは崇福寺の門前で待っているがよい。来栖がそこへ行くよう手配をする」

「しかし、彼が来ましょうか」

「来なかったら押掛けても遅くはないであろう、大丈夫行くと思う」

「ではお願い仕ります」

伊兵衛は津田邸を辞した。

外へ出てから、崇福寺の梅叟和尚がかねて松原郡太夫一味であったということに、伊兵衛は気付いた……そうだ、道之進がもしこれで崇福寺へ来るとすれば、松原一味に寝返ったことも明白になる、そう思った伊兵衛は、そこで自らひとつの決意をもたなければならなかった。

寺へ近づいた彼は、山門の前にある茶店の軒下へ入った……昼だけ茶を汲む老婆がいて、夜になると誰もいないから、夜風、人眼を避けるには屈竟である。

しかし長く待つ必要はなかった。

遠い跫音を耳にしたので、伊兵衛がそっと覗いて見ると、提灯の火が一つ、急ぎ足にこっちへ近寄って来る……じっと身をひそめたまま待っていると、それはまさに来栖道之進だった。