Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

よあけのつじ

夜明けの辻

山本 周五郎

Lee 夜明けの辻 (よあけのつじ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 42.801 caracteres · 86 pantallas

Aozora Bunko

五の一

御家老の御身分が御安泰であることを願っているだけです」

「そのために県先生を幕府へ訴えよと申すのか。さような不義無道を犯してまで、お家を安泰にしおのれの身を全うせよと云うのか……帰れ、もの申すも穢わしい。帰れ道之進」

道之進は黙って頼母の眼を見上げた……蒼白めた顔に、剃刀のような双眸が鋭い光を放っていた。彼は静かに座を滑ると、

「お怒に触れまして恐入ります」

と平伏しながら云った。

「なれど、いまいちおう押して申し上げます。御家老の思召がどうありましょうと、幕府の方針はすでに決定しております。少将さまはじめ、松原一味はかならず県先生を訴えるに相違ございません。いずれにしましても、先生の運命は明白でございます。ここは御家老の御意志を決すべき、大切な場合と存じます」

そして道之進は退座して行った。

五の一

「もし、もし……」

闇の中から、あたりをはばかるような呼声であった……伊兵衛は油断なくあたりに眼を配りながら足を停めた。

「誰だ、呼んだのは拙者か」

「おおやっぱり、旦那さま」

そう云いながら、路傍の木蔭からとびだして来たのは家僕の五郎次だった。

「やっぱり旦那さまでございましたか、お待ち申しておりました」