Clásicos japoneses con furigana
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Lee 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 267.766 caracteres · 530 pantallas
忽然と消えた駕籠
忽然と消えた駕籠
高貴の姫君に相違ないのに、駕籠の中の女のそういった声の、なんと荒んでいることぞ! そうしてそういった言葉つきの、なんとはしたなく下卑ていることぞ! たたずんで見ていた山県紋也は驚きと一緒にいわれぬ憎悪を胸に持たざるを得なかった。
「それにしてもこの女は何者なのであろう? 白痴でなければ狂人だ。何をいいかけているのだろう? 意味をなさない言葉ではないか……それにしてもこれはどうしたのだ? 胸を掻き乱す芳香は!」
物をいているのでもあろうか? 香料を身につけているのでもあろうか? 駕籠の中から形容に絶した、馨しい匂いが匂って来た。いやいやそうではなさそうであった。※(「火+(麈-鹿)」、第3水準1-87-40)物を※(「火+(麈-鹿)」、第3水準1-87-40)いているのでもなければ香料を身につけているのでもなくて、全く別の何物かから匂いは匂って来るようであった。では女の体臭であろうか? いやいやそうでもなさそうであった。もしも体臭であったならば、駕籠の扉をあけたその時から、匂いは匂って来なければならない。しかるに馨しいその匂いは、女が物をいい出した時から、忽然と匂い出して来たのである。