Clásicos japoneses con furigana
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びょうぶはたたまれた
屏風はたたまれた
山本 周五郎
Lee 屏風はたたまれた (びょうぶはたたまれた) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 11.953 caracteres · 24 pantallas
四
弥十郎は門をはいり、植込のあいだを玄関のほうへ歩いてゆきながら、胸がときめくように感じて狼狽した。
四
弥十郎と千夜とは、「川西」で七たび逢った。二人はそこで初めて肌を触れあったのだが、彼にとってはまったく新しい経験であり、心のうえでも躯のうえでも、深く大きく、自分が変えられるのを弥十郎は感じた。初めてのとき、千夜がひじょうな苦痛を訴えたこと、また苦痛の証明を見たことで、彼は殆んど動顛した。それはあの「式」などでは決してなかったことであるし、その他のすべてがまるで違うものであった。そこには快楽らしいものは少しもなかったし、彼自身それを欲する気持もなかった。千夜がひたむきに求めるので、なかばやむなく応ずるのだが、また苦痛を与えるのではないかという、危惧と懸念のほうがいつもつよかった。千夜も快楽を感じていないことは慥かであった。また、そのようにはげしく求めるのも、肉躰的な快楽を求めるのではなく、触れあうことによって、彼をじかに感じたいためのように思えた。
ここでも同じように雨戸を閉め、一双の屏風をまわし、隣り座敷にはゆきという婦人がいた。逢っている時間は短く、刻限になるとゆきが隣りから声をかける。