Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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たんていしょうせつのなぞ

探偵小説の「謎」

江戸川 乱歩

Lee 探偵小説の「謎」 (たんていしょうせつのなぞ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 119.820 caracteres · 235 pantallas

Aozora Bunko

神をも良心をも恐れない。恐れるものはただ刑罰のみである。いや、刑罰をさえ恐れないものがしばしば登場する。これは謎文学としての探偵小説では、こういう犯人を仮定するのが最も便利だということからもくる。複雑巧妙な犯罪は感情的錯誤におちいることなき機械的冷血を条件とする。そういう冷血犯人にはニヒリストをもってくるのが最もふさわしいのである。

犯罪者の心理が生き生きとえがかれている探偵小説としてまっさきに思い出されるのはフランスのシムノンの「男の首」(モンパルナスの夜)であるが、この心理探偵小説の主人公ラデック青年は天才的に頭がよくて、しかも社会上の栄達に失望した極貧の遺伝的脊髄病患者である。メーグレ探偵はこの犯人を評して、「二十年も前だったら、彼は無政府主義者の闘士となって、どこかの首府に爆弾を投じていたでしょう」といっている。

ラデックは「罪と罰」のラスコーリニコフの性格をもっと極端に類型化したような人物である。ある金持ちの道楽者が妻を殺したいと考えている心理を見抜いて、その男のために殺人罪をおかしてやり大金をゆすり取る。しかもその罪をまったく無関係な一人の愚鈍な男にたくみになすりつけて平然としている。