Clásicos japoneses con furigana
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「しなゆうき」
支那游記
Lee 支那游記 (「しなゆうき」) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 51.859 caracteres · 105 pantallas
勿論此処の人の出は、日本の縁日と変りはない。向うには派手な縞の背広に、紫水晶のネクタイ・ピンをした、支那人のハイカラが歩いている。と思うと又こちらには、手首に銀の環を嵌めた、纏足の靴が二三寸しかない、旧式なお上さんも歩いている。金瓶梅の陳敬済、品花宝鑑の谿十一、――これだけ人の多い中には、そう云う豪傑もいそうである。しかし杜甫だとか、岳飛だとか、王陽明だとか、諸葛亮だとかは、薬にしたくもいそうじゃない。言い換えれば現代の支那なるものは、詩文にあるような支那じゃない。猥褻な、残酷な、食意地の張った、小説にあるような支那である。瀬戸物の亭だの、睡蓮だの、刺繍の鳥だのを有難がった、安物のモック・オリエンタリズムは、西洋でも追い追い流行らなくなった。文章軌範や唐詩選の外に、支那あるを知らない漢学趣味は、日本でも好い加減に消滅するが好い。
それから我々は引き返して、さっきの池の側にある、大きな茶館を通り抜けた。伽藍のような茶館の中には、思いの外客が立て込んでいない。が、其処へはいるや否や、雲雀、目白、文鳥、鸚哥、――ありとあらゆる小鳥の声が、目に見えない驟雨か何かのように、一度に私の耳を襲った。