Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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「しなゆうき」

支那游記

芥川 竜之介

Lee 支那游記 (「しなゆうき」) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 51.859 caracteres · 105 pantallas

Aozora Bunko

」と教えてくれた。あすこには今夜も不相変、あの女が顔を出しているかも知れない。――樹木の多い仏蘭西租界に、軽快な馬車を走らせていると、ずっと前方に支那の馬丁が、白馬二頭を引っ張って行く。その馬の一頭がどう云う訣か、突然地面へころがってしまった。すると同乗の村田君が、「あれは背中が掻いんだよ。」と、私の疑念を晴らしてくれた。――そんな事を思い続けながら、私は煙草の箱を出しに、間着のポケットへ手を入れた。が、つかみ出したものは、黄色い埃及の箱ではない、先夜其処に入れ忘れた、支那の芝居の戯単である。と同時に戯単の中から、何かがほろりと床へ落ちた。何かが、――一瞬間の後、私は素枯れた白蘭花を拾い上げていた。白蘭花はちょいと嗅いで見たが、もう匂さえ残っていない。花びらも褐色に変っている。「白蘭花、白蘭花」――そう云う花売りの声を聞いたのも、何時か追憶に過ぎなくなった。この花が南国の美人の胸に、匂っているのを眺めたのも、今では夢と同様である。私は手軽な感傷癖に、堕し兼ねない危険を感じながら、素枯れた白蘭花を床へ投げた。そうして巻煙草へ火をつけると、立つ前に小島氏が贈ってくれた、メリイ・ストオプスの本を読み始めた。