Clásicos japoneses con furigana
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「しなゆうき」
支那游記
Lee 支那游記 (「しなゆうき」) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 51.859 caracteres · 105 pantallas
令息には正に違いないが、余り懇意に話をしたせいか、令息と呼ぶのは空々しい気がする。が、兎に角その令息の逸氏なぞと愉快に溯江を続ける事が出来た。何しろ長江は大きいと云っても、結局海ではないのだから、ロオリングも来なければピッチングも来ない。船は唯機械のベルトのようにひた流れに流れる水を裂きながら、悠々と西へ進むのである。この点だけでも長江の旅は船に弱い私には愉快だった。
水は前にも云った通り、金に近い代赭である。が、遠い川の涯は青空の反射も加わるから、大体刃金色に見えぬ事はない。其処を名高い大筏が二艘も三艘も下って来る。現に私の実見した中にも、豚を飼っている筏があったから、成程飛び切りの大筏になると、一村落を載せたものもあるかも知れない。又筏とは云うものの、屋根もあるし壁もあるし、実は水に浮んだ家屋である。南陽丸の船長竹下氏の話では、これらの筏に乗っているのは雲南貴州等の土人だと云う。彼等はそう云う山の中から、万里の濁流の押し流す儘に、悠々と江を下って来る。そうして浙江安徽等の町々へ無事に流れついた時、筏に組んで来た木材を金に換える。その道中短きものは五六箇月、長きものは殆一箇年、家を出る時は妻だった女も、家へ帰る時は母になるそうである。