Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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「しなゆうき」

支那游記

芥川 竜之介

Lee 支那游記 (「しなゆうき」) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 51.859 caracteres · 105 pantallas

Aozora Bunko

私は又この苦力の顔に蛇らしい何かを感じたのである。愈支那は気に食わない。

十分の後、我々一行八人は籐椅子の駕籠に揺られながら、石だらけの路を登り出した。一行とは竹内栖鳳氏の一族郎党、並に大元洋行のお上さんである。駕籠の乗り心地は思ったよりも好い。私はその駕籠の棒に長々と両足を伸ばしながら、廬山の風光を楽んで行った。と云うと如何にも体裁が好いが、風光は奇絶でも何でもない。唯雑木の茂った間に、山空木が咲いているだけである。廬山らしい気などは少しもしない。これならば、支那へ渡らずとも、箱根の旧道を登れば沢山である。

前の晩私は九江にとまった。ホテルは即ち大元洋行である。その二階に寝ころびながら、康白情氏の詩を読んでいると、潯陽江に泊した支那の船から、蛇皮線だか何かの音がして来る。それは兎に角風流な気がした。が、翌朝になって見ると、潯陽江に候と威張っていても、やはり赤濁りの溝川だった。楓葉荻花秋瑟瑟などと云う、洒落れた趣は何処にもない。川には木造の軍艦が一艘、西郷征伐に用いたかの如き、怪しげな大砲の口を出しながら、琵琶亭のほとりに繋っている。では猩猩は少時措き、浪裡白跳張順か黒旋風李逵でもいるかと思えば、眼前の船の篷の中からは、醜悪恐るべき尻が出ている。