Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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「しなゆうき」

支那游記

芥川 竜之介

Lee 支那游記 (「しなゆうき」) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 51.859 caracteres · 105 pantallas

Aozora Bunko

(夫人は既に鬼籍に入る。)先生、お嬢さんの肩に手をかけ、支那語にて何とか囁けば、お嬢さんは小さい口を開き、「いろはにほへとちりぬるをわか……」云々と言う。夫人の生前教えたるなるべし。先生は満足そうに微笑していれど、僕は聊センティメンタルになり、お嬢さんの顔を眺むるのみ。

お嬢さんの去りたる後、先生、又僕の為に段を論じ、呉を論じ、併せて又トルストイを論ず。(トルストイは先生へ手紙をよこしたよし。)論じ来り、論じ去って、先生の意気大いに昂るや、眼は愈炬の如く、顔は益蝙蝠に似たり。僕の上海を去らんとするに当り、ジョオンズ、僕の手を握って曰、「紫禁城は見ざるも可なり、辜鴻銘を見るを忘るること勿れ。」と。ジョオンズの言、僕を欺かざるなり。僕、亦先生の論ずる所に感じ、何ぞ先生の時事に慨して時事に関せんとせざるかを問う。先生、何か早口に答うれど、生憎僕に聞きとること能わず。「もう一度どうか」を繰り返せば、先生、さも忌々しそうに藁半紙の上に大書して曰、「老、老、老、老、老、……」と。

一時間の後、先生の邸を辞し、歩して東単牌楼のホテルに向えば、微風、並木の合歓花を吹き、斜陽、僕の支那服を照す。