Clásicos japoneses con furigana
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
Lee 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) de 内田 魯庵 (うちだろあん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 215.401 caracteres · 427 pantallas
十 紅葉と外国文学
十 紅葉と外国文学
紅葉は常に門下の諸生に対して外国小説研究の不必要を説き、創作家に必要なるは実世間の観察であって外国小説なんぞを読んだって役に立たないといっていた。紅葉門下が秋声一人を除くの外は皆外国語に疎そかであったは師家の厳しい教訓のためであった。
が、紅葉自身は常に外国小説を読んで頭を肥やしていた、就中ゾラの作を愛読して『ムール和上の破戒』の如きは再三反読してその妙を嘖々していた。『渠の傑作』を読んだ時はあたかも地方に暮していた私の許へわざわざ手紙を遣して盛んにゾラの作意を激賞して来た。『むき玉子』はゾラのこの作から思付いたのである。その外にも外国小説からヒントを得、あるいはそのままに換骨奪胎したものは少くなかった。紅葉は決して外国小説が嫌いではなかった。
私が初めてドストエフスキーの名を聞いたのは紅葉からである。或時飯田町の三畳の書斎を訪ずれると、昨宵は嵯峨の屋が来て『罪と罰』という露西亜の小説の話をしたが、嵯峨の屋がモグモグしながら妙な手附きをして咄すのが実に面白かったといった。かつ、この小説は露西亜の近代の最大傑作で、何でもこの頃丸善へ英訳が来ているそうだといった。