Clásicos japoneses con furigana
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いちのくらさわなんりょう
新編 風雪のビヴァーク
松濤 明
Lee 新編 風雪のビヴァーク (いちのくらさわなんりょう) de 松濤 明 (まつなみあきら) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 25.081 caracteres · 51 pantallas
出合の河原に猟師が二人、タツマを組んで獲物を待ちかまえている。ぼんやり見ていると、のこのこ川を渡ってきて、人なつこく話しかけた。聞けば猪を獲っているとのこと、その肉は遠山郷の中心地である和田へ売り出すとのことであった。左岸沿いの良い路を気楽に歩くと兎洞の出合弁天島である(九・一〇)。
遠山の谷はよほど山の幸に富んでいるらしい。ここの河原にも猟師がタツマを組んで獲物を待っていた。タツマから立ち上るほの青い煙が静かに山の腹へ吸い込まれてゆく。アメリカ西部を思わせる風景であった。弁天島をすぎるとときどき棧道が現われたり、小尾根の鼻を捲いたりして、道はいくぶんせせらぎから遠ざかる。そして谷はますます深みを加えてゆく。諸河内の出合で小憩してパンを噛った(一〇・一〇~・四〇)。
遠山の谷は深い。しかし深い上にもこの谷は大らかな抱擁性を持っている。そして秩父の谷のような静けさの中にもはるかに明るさと柔らかみがあって、こちらから溶け込んでゆくような親しさをおぼえる。
同じような道を易老渡へ来ると、かねがね聞いていた面平へ直行する径路が分岐していた。福長の話ではブッシュが多いから、白薙を廻った方が良いとのことであったが、見たところどうして立派な路である。