Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
いちのくらさわなんりょう
新編 風雪のビヴァーク
松濤 明
Lee 新編 風雪のビヴァーク (いちのくらさわなんりょう) de 松濤 明 (まつなみあきら) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 25.081 caracteres · 51 pantallas
山へ
精悍な感じのする男であった。相変わらずの、か細い道を小野へ辿り着いた頃、ようやく夕闇が迫ってきて白々とした月が現われた。どの家からも、もう夕餉の煙が立ち上っている。私も今宵の塒を捜さねばならない。路傍の農家に一夜の宿を乞い、ここに落着くことになった。
明日から何日か、もはや自分一人になる。眼が冴えて睡り切れぬ夜であった。
山へ
三月二十五日 晴
ろくろく眠らぬうちに夜が明けてしまった。美味しい米の飯をご馳走になって六時半家を出る。晴れてはいるが、今日は上河内がほんのり霞んで天候の下り坂であることを示している。早くも不安の蔭がさしてきて落着かぬ気持になった。大野から道はいよいよ遠山の河原へ下りはじめる。木の葉をカサコソと踏みしめながら河原に立つと、両岸はあくまで高く陽を遮って、にわかに肌寒さを覚える。大きな飯場があって人足が多勢出たり入ったりしていた。
意外なところに意外なものを見る。ここの方が下栗あたりよりもかえって賑やかなようだ。危い丸木の一本橋を裸足になったりして、二、三度渡り返すと、やがて北俣渡。北俣沢は本流と見まごうばかりに大きく滔々と流れ込んでいる。