Clásicos japoneses con furigana
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いちのくらさわなんりょう
新編 風雪のビヴァーク
松濤 明
Lee 新編 風雪のビヴァーク (いちのくらさわなんりょう) de 松濤 明 (まつなみあきら) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 25.081 caracteres · 51 pantallas
頂上かと思ったが自信がもてないので、地図、磁石を総動員してみたところ、それは頂上ではなく一つ手前の三角点だった。そして易老の頂上までは、なお幾多の小突起を越えなければならなかった。――易老の頂上は背の低い針葉樹に覆われて、どこが最高点やら分らない。何度もぐるぐる廻って、ようやくそれと覚しいところに立つことができた。
六時。風雪の中でもがくうちに、思わぬ時間を費したものである。日は暮れかかっている。最高点のやや仁田岳寄りの木蔭に荷を下ろして、ビバークにとりかかった。同じ夜を迎えるにも、今日は昨夜と違って、いくぶんせっぱつまった気もするし、それに自分が一番高いところにあるといった気安さもあって、さほど暗い気持にはならず、丹念に雪を踏みしだき針葉樹の葉をふんだんに敷いてツェルトをかむった。湿雪にぐっしょり濡れたウインドヤッケ、オーバーシュー等脱ぎ棄てて、温かい毛布にくるまり、コッフェルのバーナーに火を点ずれば、もはやわが世は春である。ルックから、大切な甘味、甘納豆を取り出してちびりちびりと楽しめば、激しいアルバイトの後なので、その甘さがたまらない。
飯の支度をするかたわら、今夜は寒さに備えて白金懐炉に火を入れるべく、タンクからベンジンを出して静かに注いだ。