Clásicos japoneses con furigana
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いちのくらさわなんりょう
新編 風雪のビヴァーク
松濤 明
Lee 新編 風雪のビヴァーク (いちのくらさわなんりょう) de 松濤 明 (まつなみあきら) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 25.081 caracteres · 51 pantallas
下りにかかるとこれがまた素敵に長い。とにかくこの峠は五里峠の別名を持っているのだから、どこから測るか知らないが五里はあるのだろう。登りに負けず劣らず長い下りであった。上町の外れが目の下に見えていながら、なかなかそこまで達することができない。峠を出たのが十時をちょっと廻った頃、二時間半近くかかってようやくその連なりに足を踏み入れた。
遠山の里は私の予想を裏切って、はるかに明るく、そして文化の恩沢に浴していた。いくたの伝説にいろどられた神秘な里として、ロマンチックな夢を懐いてきた私には、いささか期待はずれであった。素晴らしい小学校がある。今日は免状式とかで、方々の分教場から集まってきた子供たちが、三々五々群れをなして散って行く。地方の子供に見る羞みなど少しもない。えらくはっきりした連中である。こういうところを登山姿で歩くと、物珍しげな視線に射すくめられて間の悪い思いをすることはよく経験するところだが、ここではそれが少しもなかった。しかしそれは登山者がありふれたものだからでなくて、あまりに珍しい存在だかららしい。
上町の中心は古めかしい家が道を挟んで軒を連ねていた。