Clásicos japoneses con furigana
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にちりん
日輪・春は馬車に乗って 他八篇
横光 利一
Lee 日輪・春は馬車に乗って 他八篇 (にちりん) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 86.787 caracteres · 177 pantallas
十一
十一
訶和郎の馬は狭ばまった谷間の中へ踏み這入った。前には直立した岩壁から逆様に楠の森が下っていた。訶和郎は馬から卑弥呼を降して彼女にいった。
「馬は進まず。姫よ、爾は我とともに今宵をすごせ。」
「追い手は如何。」
「良し、姫よ。我は奴国の宿禰の子。我の父は長羅のために殺された。爾を奪う兵士を奴国の宮に滞めて殺された。長羅は我の敵である。もし爾が不弥の国になかりせば、我の父は我とともに今宵を送る。爾は我の敵である。」
「我の良人は長羅の剣に殺された。」
「我は知らず。」
「我の父は長羅の兵士に殺された。」
「我は知らず。」
「我の母は長羅のために殺された。」
「やめよ、我は爾の敵ではない。爾は我の敵である。不弥の女。我は爾を奪う。我は長羅に復讐のため、我は爾に復讐のため、我は爾を奪う。」
「待て。我の復讐は残っている。」
「不弥の女。」
「待て。」
「不弥の女。我の願いを容れよ。然らずば、我は爾を刺すであろう。」
「我の良人は我を残して死んだ。我の父と母とは、我のために殺された。ひとり残っている者は我である。刺せ。」
「不弥の女。」
「刺せ。」
「我に爾があらざれば、我は死するであろう。