Clásicos japoneses con furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Lee 湖畔亭事件 (こはんていじけん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 69.335 caracteres · 137 pantallas
ます。
それは実際奇妙な変化でした。湖畔亭での十数日、当の犯罪事件に関係している間には、曾てその様な疑いの片鱗さえも感じなかった私が、今事件が兎も角も解決して、帰京しようという汽車の中で、ふと変な気持になったのです。しかし、考えて見れば、世に疑いというものは、多くはそうした唐突なきっかけから湧き出すのかも知れません。
でも、もしあの時、河野の古鞄が棚の上から落ちるという偶然の出来事がなかったなら、私のそのあるかなきかの疑念は、時と共に消え去ってしまったかも知れません。それは多分急なカーヴを曲った折でしょう。あのひどい車体の動揺は、河野に取って全く呪うべき偶然でした。それにしても、その古鞄の転落した時、折悪く卸したと思った錠前が、どうかしたはずみでうまくかかっていなかったというのは、よくよくの不運といわねばなりません。
鞄は丁度私の足下へ転がり落ちました。そして驚くべき在中品が、目の前に開いた鞄の口から危くこぼれ出す所でした。いやある品物は、コロコロと私の足の下へころがり出しさえしました。
読者諸君、それがまあ何であったと思います。細く切り離した長吉の死骸(?)いやいやまさかそんなものではありません。