Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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こはんていじけん

湖畔亭事件

江戸川 乱歩

Lee 湖畔亭事件 (こはんていじけん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 69.335 caracteres · 137 pantallas

Aozora Bunko

三十五

そして、その結果驚くべき事実を発見したのです」

三十五

「三造は例の大トランクを二つ共、どこから拾って来たのか、焚場の石炭の中に隠していたのです。トランクの男達は、多分目印しにされることを恐れて、トランクを山の中に隠し、身をもって逃げ去ったのでしょうが、三造はそれを見ていたのかも知れません。或は後になって、森の中へ枯枝を集めに行った時に偶然発見したのかも知れません。兎も角、中味の莫大な紙幣もろとも、彼はトランクを盗んでいたのです。これであの財布の中の五百円も解釈がつく訳ですね。しかし、トランクの持主が、たとえ危急の際であったとはいえ、あの大金を惜げもなく捨てて行ったというのは、少々変です。やっぱり贋造紙幣だったのでしょうか。それとも後日取りに来る積りで、人目につかぬ所へ埋めてでも置いたのでしょうか。あの大風の晩に懐中電燈で森の中を探し廻っていた男は、ひょっとしたら、彼等の命を受けてトランクを探しに来た一味の者だったかも知れませんね。

事件は段々複雑になって来ました。どうなることか少しも見当がつきません。僕の向う見ずないたずらが、この様な大事件になろうとは、全く予想外で、随って心配は益々強くなるばかりです。