Clásicos japoneses con furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Lee 湖畔亭事件 (こはんていじけん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 69.335 caracteres · 137 pantallas
もし彼があとで本当のことをいってしまっては大変ですから、それをとめるためです。敏感な彼は、いうまでもなく、私の微妙な目の働きを悟った様でありました。
それから、湖畔亭の主人を始めとして、番頭、女中、下男、さては泊り客に至るまで、悉く一応の取調べを受けました。検事などもまだ来着せず、それはほんの仮調べといった風のもので、別段人ばらいなどしないで、一室にゴチャゴチャとかたまっている人々を、次々と訊問して行くのでしたから、私は殆ど総ての陳述を、側にいて聞くことが出来ました。
河野は、私の無言の歎願を容れて、私の嘘と口を合せてくれました。それを聞いて私はやっと胸のつかえがおりた様に思ったことです。主人をはじめ宿の人達の陳述にも、別段新しい事実はなく、皆私達が前以て聞いていた所と同じことでありました。そして、それらを綜合しますと、警察の人々もやはりトランクの紳士を疑う外はない様に見えました。
又、犯罪現場が、いとも綿密に調査せられたことは、申すまでもありません。私達は事件発見者としてそれにも立合うことが出来ましたが、老巧な刑事の一人は、板の間のしみを見ますと立所に血痕に相違ないと鑑定しました。