Clásicos japoneses con furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Lee 湖畔亭事件 (こはんていじけん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 69.335 caracteres · 137 pantallas
私はソワソワと起き上って、第一に、例の仕掛の取りつけてあった、窓の所へ行き、そこをあけて、何か人目につく様なレンズ装置の痕跡でも残っていはしないかと、朝の光でもう一度調べて見ました。頭が疲れていたせいか、大丈夫だとは思いながら、ふと飛んでもない粗漏がある様な気がして、心配でたまらなかったのです。しかしそれは私の取越し苦労に過ぎないことが分りました。ボール紙の筒を結びつけた針金さえ、一本残らず取去って、そこには何の痕跡も残ってはいないのです。
それで、すっかり安心した私は、今度は昨夜異様なる人物の佇んでいた場所へ目を移しました。二階の窓からでは、遠くてよくは分りませんけれど、河野のいった通り足跡などは残っていない様に見えます。
「だが、ひょっとして、地面の柔かい部分があるかも知れない。そこに曲者の足跡がついていないとは限らない」
妙なもので、相手の河野が犯人の探偵に熱中しているのを見ると、私も彼にまけない気で、ふとその足跡を調べて見たくなったものです。それに一つは、夜来の心遣いと睡眠不足のためにズキズキ痛む頭を、屋外のすがすがしい空気にさらしたくもあって、私はそのまま、顔も洗わないで、階下の縁側から、裏庭へと立出で、散歩の体を装いながら、浴場の裏口の方へとあるいて行きました。