Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lee 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 306.118 caracteres · 613 pantallas

Aozora Bunko

との有難い御諚に、初めて彼も階を踏むことができたのであった。

その時、頼政は一晩じゅう、君恩に感泣して、

(いつかは、この老骨を朝廷の御為に――)

と愈、大君の防人たる武士の本道を意志につよめて、同時に、

(犬ともよべ、畜生とも誹れ、われはわれの勤むるところを勤めて後の世に問わん)

と、なお老後を養っていた。

そういう彼に対して、平家一門の中で、ただひとり、ふと同情の眼を寄せた者がある。

(あれも七十にもなって、まだ下位に留まっていたのか。さてさて気の毒した。三位にでも叙せてやれ)

思い出したようににわかに、そう云ったのは、清盛であった。

入道相国の恩命も、余りに遅きに失していたが、たとえそれが一片の出来心でも、年来不遇な頼政には、欣しかったに違いない。

(入道殿も本来は、近年見るような人物ではない筈だが、余りに恵まれた順調と周りの一門に誤られている。――その誤りが入道殿の一身や一族だけの誤りで済めばよいが)

頼政は今でも、人間としての清盛に一片の愛惜を感じている。彼を誤らしめたくない気持を抱いている。けれど、どうにもならないものが遂に入道を、世間から「物狂おしき人」