Clásicos japoneses con furigana
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
Lee 照葉狂言 (てりはきょうげん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 49.730 caracteres · 100 pantallas
四
またむこう向に身を返して、
「袂ッ草が血留になるんだ。袂ッ草が血留にならあ。」
聞かすともなく呟きつつ、鳥居の傍なる人の家の、雪垣に隠れしが、二の鳥居の有るあたり、広き境内の月の中に、その姿露れて、長く、長く影を引き、槍重たげに荷いたる、平たき肩を窄めながら向う屈みに背を円くし、いと寒げなる状見えつつ、黒き影法師小さくなりて、突あたり遥なる、門高き構の内に薄霧籠めて見えずなりぬ。われはうかうかと見送りしが、この時その人憎からざりき。
「ちょいと、痛むかい。痛むだろうね、可哀相に。」
「何ともない。痛かあない。」
「大した事もないけれど、私ゃもうハッと思った。あの児をつかまえて喧嘩もならず、お前さんがまた肯かないんだもの、はらはらと思ってる内、もう、どうしたら可いだろう。折角送って来ながら申訳がないね。」
「可いよ、痛かあないもの。」
「だって疵がつきました。かすり疵でも、あら、こんなに血が出るもの。」
と押拭い、またおしぬぐう。
「もう可い。」
「可かアありませんよ、このまんまにして、帰しちゃあ、私が貢さんのお内へ済まないもの。」
伯母上何をか曰わむ。
四
「じゃあこうしようね、一所に私の家へ来て今夜お泊りでないか。