Clásicos japoneses con furigana
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
Lee 照葉狂言 (てりはきょうげん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 49.730 caracteres · 100 pantallas
そちこちするうち日が暮れそうだから、泣き泣きその日は帰ってしまって、翌日また尋ねて行って、小銀が(小銀が来ましたよ、小銀が来ましたよ。姉さん、姉さん、どこまで水がつきました。)ッて、問うたればね、膝まで水がつきましたッて、そうお言いだとさ。そのあくる日は、もう股の処へついたッて。またその翌日行った時は、お腹の上まで来たんですとね。そうしてもうそうなると、水足が早くなって、小銀が、姉さん、姉さんッて聞く内に、乳の下まで着いたんだよ。山の中は寂りして、鳥の声も聞えない。人ッ子一人通ろうではなし、助けてもらうわけにはゆかず、といって石は退けられないし、ただもうせめてのことに、お見舞をいうばかり、小銀が悲しい声を絞って。」
この時婦人は一息つきたり。可哀なるこの物語は、土地の人口碑に伝えて、孫子に語り聞かす、一種のお伽譚なりけるが、ここをば語るには、誰もかくすなりとぞ。婦人もいま悲しげなる小銀の声を真似むとて、声繕いをしたりしなり。
「(姉さんや、姉さんや、どこまで水がつきました。どこまで水がつきました。もう一度顔が見たいねえ! 小銀が来ましたよう。)ッて、呼んでも呼んでも返事がないの。