Clásicos japoneses con furigana
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
Lee 照葉狂言 (てりはきょうげん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 49.730 caracteres · 100 pantallas
可哀相で堪らないんでね、つい、鬱ぐの。」
言うほどにまた幻見ゆ。空蒼く日の影花やかに、緑の色濃き楓の葉に、金紙、銀紙の蝶の形ひらひらと風にゆれて、差のばしたまう白く細き手の、その姉上の姿ながら、室の片隅の暗きあたり鮮麗にフト在るを、見返せば、月の影窓より漏れて、青き一条の光、畳の上に映したるなり。うっとりせしが心着きぬ。此方には灯影あかく、うつくしき小親の顔むかいあいて、額近きわが目の前に、太く物おもう色なりき。
われは堪えず俯向きぬ。
「そしてまあ、その継母はまた何だって遠まわしに、貢さんのせいのように推つけて聞かしたんだろうね。お前さんにどうかしてくれろというのかね。貢さん、お前さんが心配をすればどうにかなるとでもいうような事を、継母が知ってて言うようにも承れるがねえ。一体どうしたというんだろうね。」
小親は身に沁みて聞きたりけむ、言う声も落着きたり。
「でね、継母がそういったよ。貢さん、あんたは小親という人に可愛がられているんだろうッて。」
「お前さんは、何と言ったの。」
「黙っていました。」
「そうかい。」
とばかり寂しく笑いぬ。煙管は火鉢に横うたり。