Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぎゅうにくとばれいしょ

牛肉と馬鈴薯・酒中日記

国木田 独歩

Lee 牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (ぎゅうにくとばれいしょ) de 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 54.018 caracteres · 109 pantallas

Aozora Bunko

日が暮て一時間も経てから磯吉が水を汲みに来た。

下

お源は真蔵に見られても巧く誤魔化し得たと思った。ちょうど真蔵が窓から見下した時は土竈炭を袂に入れ佐倉炭を前掛に包んで左の手で圧え、更に一個取ろうとするところであったが、元来性質の良い邪推などの無い旦那だから多分気が附かなかっただろうと信じた。けれど夕方になってどうしても水を汲みにゆく気になれない。

そこで磯吉が仕事から帰る前に布団を被って寝て了った。寝たって眠むられは仕ない。垢染た煎餅布団でも夜は磯吉と二人で寝るから互の体温で寒気も凌げるが一人では板のようにしゃちっ張って身に着かないで起きているよりも一倍寒く感ずる。ぶるぶる慄えそうになるので手足を縮められるだけ縮めて丸くなったところを見ると人が寝てるとは承知ん位だ。

色々考えると厭悪な心地がして来た。貧乏には慣れてるがお源も未だ泥棒には慣れない。先達からちょくちょく盗んだ炭の高こそ多くないが確的に人目を忍んで他の物を取ったのは今度が最初であるから一念其処へゆくと今までにない不安を覚えて来る。この不安の内には恐怖も羞恥も籠っていた。