Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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はごろもものがたり

羽衣物語

小川 未明

Lee 羽衣物語 (はごろもものがたり) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.

N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 6149 caracteres · 12 pantallas

Aozora Bunko

かすみを切ったようにも思われるのでありました。

「いったい、この着物は、だれのものであろうか。」

若者は、頭をかしげ、思案にくれました。

松原の中は、しんとして、ときどき、小鳥の鳴き声が聞こえるくらいのもので、あたりを見まわしても、まったく人のいるような気はしませんでした。

若者は、はじめて見るものだけに、さわるのが恐ろしくもあれば、また、あまりきれいなので、手をつけては悪いような気さえしましたが、ついに、もの珍しさのあまり、勇気を出して、自分の手に取り、つくづくとながめたのでした。

「これは、人間などの着るものでない。天上高く、わしかたかが、どこからかくわえてきて、ここへかけていったものだろう。なんにせよ、またと得がたい、とうといものだ。こんな宝が手に入るとは、なんという自分は幸せものではないか。村の人たちに見せたら、さぞ、うらやむことだろう。」と、若者は、ほくほく、よろこびました。

その着物をおしいただいて、いまやそこを立ち去ろうとしたときであります。うしろへ小さな足音がして、鈴をふるような、さわやかな声で、

「もし、もし。」と、呼びかけたものがありました。