Clásicos japoneses con furigana
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Lee 花も刀も (はなもかたなも) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 89.364 caracteres · 178 pantallas
――世評なんてばかなものだ。
深喜は苦い顔をして黙った。
お豊は自分の病気のことを話した。男の弟子に稽古をつけているとき、とつぜん血を吐いた。銅の鬢盥へ殆んど一杯ほども吐き、そのまま気を失ってしまった。お豊のは咳も痰も出ず、躯が痩せるというのでもなかった。ときたまひどくだるかったり、肩が凝ったりするくらいで、そんな病気があろうとはまったく気がつかなかった。
――こういうのは、性がよくない。
と、医者は云い、症状がおさまると、どこか山の湯治場へでも養生にゆくのがいいとすすめた。河内屋の隠居はすぐに「草津へ行こう」と云いだしたが、お豊は頑強に拒んだ。
「だって、草津へゆけばあぶないと思ったんですよ」と、お豊は深喜を見た、「まわりに眼があるから、これまでは大丈夫だったけれど、そんな処へいっしょにゆけば、無事におさまりっこないんですもの」
「と、いうと――」
深喜も、お豊の眼を見た。
「これまで、その隠居とはなんでもなかったのか」
「あたりまえじゃないの」と、お豊は云って、きらきらするような眼で深喜をみつめた、「あたしには、平手さんしかいやあしないわ」
三
深喜は顔をそむけた。