Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Lee 花も刀も (はなもかたなも) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 89.364 caracteres · 178 pantallas
「わかりません」と、首を振り「とにかくたしかめて来ます」と云って立っていった。
久三郎はすぐに戻った。
はっきりわからないが、どうやら女も出奔したらしい、と久三郎は云った。重職だから、うっかり公表はできないだろう。その家の召使に訊くと、早朝から家士が幾人も市中へ出ていった、と告げたそうであった。
「では二人はいっしょだろうか」
「そうでしょうね」と、久三郎は頷いた、「昨夜お会いになったとき、二人で出奔するところだったのじゃありませんか」
「ばかな男だ」幹太郎は発止と膝を打った、「まだ二十という年で、才能も将来もあるのに、人の妻と駈落ちなどしてどうするつもりだ、これで一生がめちゃくちゃじゃないか、ばか者」
ばか者と叫んだとき、幹太郎の眼から涙がこぼれおちた。
久三郎は「野口の友人と相談してみます」
と、座を立ち、なにかあったらすぐに知らせる、と云って去った。幹太郎は懐剣(それは備前物のよろいどおしを直したものらしかった)を包んでしまいながら、
――こうなったら逃げのびてくれるように。
と、心のなかで祈った。
その翌日の午後、総試合へ出る者だけ六人が、道場に残って稽古をしていると、一人の見知らぬ侍が、久三郎といっしょにはいって来て、道場の隅に立ったまま、稽古のようすを見まもった。