Clásicos japoneses con furigana
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
Lee 負けない男 (まけないおとこ) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 98.799 caracteres · 202 pantallas
十五万円は仮りに七分五厘として何万円の利子に当る?」
「さあ」
「大学出は算盤が出来ない」
「…………」
「数学に真理のある限り、二百万円の資本を運転したことになるんだよ。分ったかね?」
と鳧さんは先刻の仇討ちだった。この辺、甚だ大人気ない。
「はあ」
と頷いたものゝ、堀尾君は忌々しかった。五十五円の月給取だ。万以上の金になると、然う右から左へは暗算が利かない。
「大きなものじゃないか? お互の心掛け一つで二百万円の商売をしたのも同じことになるんだ」
「御道理です」
「君、この際だからね。伝票を一割五分も無駄にしたんじゃ大変だ。社員全体が君と同じ心掛けでやって見給え。アベコベに四百万円の資本を遊ばせることになる」
「それは数学が違いましょう」
「いや、大体の理屈さ」
「大体の理屈でも理不尽です」
「伝票は知れたものだと言うのかね?」
「然うです。無論以来気をつけますけれど」
「一事が万事だから心掛けが大切だという話さ。然う躍起にならなくても宜かろう」
「失礼申上げました」
「伝票の方はもう宜しい。君は分っているんだから」
「はあ」
「しかし堀尾君、会社の便箋も同様だぜ」
と鳧さんは引出から皺になったのを二枚出して渡した。