Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

みちくさ

道草

夏目 漱石

Lee 道草 (みちくさ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 145.812 caracteres · 293 pantallas

Aozora Bunko

「でも健ちゃんなんぞは顔が顔だからね。そうしみったれた真似も出来まいし、それにあの島田って爺さんが、ただの爺さんと違って、あの通りの悪党だから、百円位仕方がないだろうよ」

姉は健三の腹にない事まで一人合点でべらべら喋舌った。

「だけど御正月早々御前さんも随分好い面の皮さね」

「好い面の皮鯉の滝登りか」

先刻から傍に胡坐をかいて新聞を見ていた比田は、この時始めて口を利いた。しかしその言葉は姉に通じなかった。健三にも解らなかった。それをさも心得顔にあははと笑う姉の方が、健三にはかえって可笑しかった。

「でも健ちゃんは好いね。御金を取ろうとすればいくらでも取れるんだから」

「こちとらとは少し頭の寸法が違うんだ。右大将頼朝公の髑髏と来ているんだから」

比田は変梃な事ばかりいった。しかし頼んだ事は一も二もなく引き受けてくれた。

百二

比田と兄が揃って健三の宅を訪問れたのは月の半ば頃であつた。松飾の取り払われた往来にはまだどことなく新年の香がした。暮も春もない健三の座敷の中に坐った二人は、落付かないように其所いらを見廻した。

比田は懐から書付を二枚出して健三の前に置いた。