Clásicos japoneses con furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lee 雑居家族 (ざっきょかぞく) de 壺井 栄 (つぼいさかえ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 140.106 caracteres · 283 pantallas
「なんだって。」
わが子ながら不敵なことをという顔へ、二三子は負けてはいずに、
「だってさ、なにさあれ。くそおもしろくもない小説なんぞかいてさ。わたしいつかよんだけど、ちっともおもしろくなかったわ。」
「それがろくでもないことかよ。生意気いうない、生意気を。」
すると今度はおせいが口を出した。
「おとうさんはね、お安さんのことを義理の妹だって、じまんにしてるんだよ。むかーしさ、お安さんの姉とかけおちまでして夫婦になったっていう間がらだからさ。」
忘れていたことを思い出していうと、二三子はふき出して、
「あらいやだ。ほんとう? おとうさんにもそんな昔があったなんて、うそみたい。見直してあげたいけど、もうだめだ。」
ひやかしとも、侮辱ともしれぬ言葉のあと、
「でもねおとうさん、いくらおもしろくない小説でもさ、小説家なんておっかないわよ。あんまり哀れなかっこうしていったらさ、小説の種にでもされるのが落ちよ。おおこわい。」
兵六さんはもう聞かないふりで、一たんはいた靴をぬぎ、きたない板裏草履とはきかえた。くじいた足のくるぶしがはれているらしく、いたかったからだ。通りへ出て、薬屋へよった。