Clásicos japoneses con furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lee 雑居家族 (ざっきょかぞく) de 壺井 栄 (つぼいさかえ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 140.106 caracteres · 283 pantallas
子守歌
それをかた手でにぎったまま外をのぞくと、浜子が立っている。
「やっぱりそうだった。よかった浜ちゃん。さ、おはいんなさい。」
気さくにいったが、この期になって浜子はてれているらしくなかなかはいろうとしない。
「さ、さ、いつまでもこだわるのよしましょ。かぜひくわよ。あら、あんたはだし。じょうだんじゃないわ。もっと大事にしてよ。おひなさまよ、きょうは――」
ぐっとくる感情をこらえて、安江は柳の糸を力まかせに引っぱった。柔順のシンボルであるという柳の枝は桃と一しょに花立をはなれて安江の手にぶらさがっている。
子守歌
大たいにおいて文吉と安江は夫婦そろってお人よしと噂されていた。おもにそれは親類づきあいや同郷づきあいの中でのことだが、友人の中にだってそう思っている連中もだいぶあった。たとえば文吉たちが詐欺にあってひどい目を見せられたようなとき、彼らの友人のひとりは同情しながらも、
――文吉夫婦は人がいいからね……
だからつけこまれるのだといわぬばかりで、人のよいのは詐欺よりも悪徳であるかのようにいう。それはまあ、ある程度そうかもしれないが、そういう好人物につけこんで難題をもちこみ、その上けいべつ的なことをいったりすると、文吉は女房に向っていばるのである。