Clásicos japoneses con furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lee 雑居家族 (ざっきょかぞく) de 壺井 栄 (つぼいさかえ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 140.106 caracteres · 283 pantallas
」
「ずるいよ。ぼくにさき答えるべきだよ。」
「じゃあ申しますがね、以前、うちのおとうさんが、そっくりそのままの手にのったからですよ。――さ、今度はそっちだ。」
これには冬太郎も顔色をかえ何ともいえずだまりこんだ。くやしくてならぬがいいかえす自信がぐらつき出してきたのだ。それを見ぬきでもしたように安江は、
「ま、いいさ。人を信じるってことは悪いことじゃあないからね。しかし、あんまりやすやすとだまされるのもくやしいじゃないか。君はだまされなかったんだからいいようなものの、そんな目にあったものは、忘れられないからね。おとうさんのようにさ。まるでだまされた責任を、だました人だけにもってったりしてさ。でも、これでまた、人にだまされない人間なんてのもあんまり感じはよくないね。私のようにさ、そんな人、わたしは好きじゃないよ。だからさ、もしも冬太郎がだまされたとしてもだよ、そんならそれでいいさ。その上まだその人を信じるというなら、こいつはめでたいよ。がっかりなんかすんなよ。どうだい、一つ皮肉がいいたいところだけど、よしとこう。」
それをしおに立ちあがって、安江も部屋に引揚げた。