Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lee 雑居家族 (ざっきょかぞく) de 壺井 栄 (つぼいさかえ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 140.106 caracteres · 283 pantallas
「客がとれないんだそうだ。銀座あたりじゃあね。」
「そうでしょう。やっぱり、東京なら銀座と考えたあたりは、いなかの詩人なのね。そんなら場末でもいいじゃないの。」
「ところがそいつもだめなんだそうだ。そこにもあんまがうようよしてるんだってさ。しかし、それよりもね、第一居場所がないんだってさ。たよってきた友人にもことわられてね。――おれは田舎へ帰れっていったんだがね、背水の陣をしいて田舎の家も売り払って上京したんだっていうんだがね。」
「馬鹿ね、その金、部屋もかりずにうざうざと使っちゃったの。」
「そうだってさ。東京を甘くみてたんだな。毎日二三人の客がつけばいいってね。そいつがまだ上京以来ひとりもつかないそうだ。」
「詩どころじゃないわね。」
「そうなんだよ。そこで決心して棺おけを作るなんていってるんだよ。」
「ええっ。棺おけって、あの棺おけ?」
「ああ、あの棺おけさ。」
と、文吉は安江のおどろきを一そうあおるようなまじめな顔をする。そうなると安江はもうおどろかない。音枝の方が代って、
「棺おけ作るって、葬儀やになるの。」
文吉はあっはっはと笑い、
「住居なんだよ、棺おけがな。