Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

Lisez いやな感じ (いやなかんじ) de 高見 順 (たかみじゅん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 292 113 caractères · 587 écrans

Aozora Bunko

「あの人たち、あたしと同じような方言を使うわ」

波子は興味深そうに、

「バッテンじゃないけど、バッテと言うの」

たとえば、行ったバッテ(けれど)見えなかったと言う。

「雑夫は九州もんなのか」

「いいえ、あの女工さんたちよ。秋田から来たんですってさ。それが、九州と同じバッテを使うのよ。不思議ねえ」

その女工たちのなかには、根室からさらに船に乗って、クナシリ島の罐詰工場へ出稼ぎに行く者があった。お給金が、ほんのすこしばかりだが根室で働くのよりはいいというので、島へ渡って行った。母親のお古のビックリ(信玄袋)をさげて、けなげに――だが、俺には、その小娘たちが哀れに見えた。信玄袋のなかにきっとお手玉を入れている娘もあるだろう。

そうした女工たちの姿を見て波子は、ぼんやりしていてはもったいないから、自分も工場で働こうと言い出した。

「罐詰工場でか?」

「ええ」

女工たちが(彼女らの方言で言うと)「わったわった」働いている工場からは、タラバガニの大きな脚を出刃でトントンと切っている音が、絶え間なく聞えてくる。この作業は出刃截割と呼ばれていた。単にサイカツとも言う。オホーツク海にカニを取りに出た船(カニ工船でなく、根室のそのころの船は独航船だった)がどっと港にはいると、工場のトントントンというサイカツの音が深夜までつづくのだっ