Classiques japonais avec furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lisez おばけの正体 (おばけのしょうたい) de 井上 円了 (いのうええんりょう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 74 925 caractères · 145 écrans
ように感じます。これ、ひとり国家のためのみならず、教学のために残念至極のことであります。余はかつて古人の詩を思い出し、
尽日尋レ春不レ見レ春、芒鞋蹈遍隴頭雲、帰来笑撚二梅花一嗅、春在二枝頭一已十分。
(尽日、春をたずねて春を見ず、芒鞋踏みあまねし隴頭の雲、帰り来たりて笑って梅花をひねりてかげば、春は枝頭にありてすでに十分)
とあるように、今日の学者、教育家、宗教家は大抵みな、近く枝頭の春に背きて、遠く隴頭の雲を踏むの類にあらざるかを疑い、ひとり自ら嘆息している次第であります。今日の教育、宗教の状態は、ただ今述ぶるとおりの事情でありますから、この二道によって迷信を退治するは、容易のことにあらずと考え、余は自ら一工夫をめぐらし、むしろ外科的医法によりて即席療治を施さんと欲し、妖怪研究の看板を掲げ、『妖怪講義』を発行して世に公にすることにいたしました。今、その要点を一口につまんで申せば、余おもえらく、世人が迷心、惑情を去り難きは、全く天運といえる一大怪物が目前にかかりて、なにほど己の心をたずねてみても、サッパリ分からぬ故であります。けだし、天運とは生死常ならず、禍福定まりなく、世事意のごとくならざる一事にして、これぞ宇宙の最大怪物と申してよろしい。