Classiques japonais avec furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lisez おばけの正体 (おばけのしょうたい) de 井上 円了 (いのうええんりょう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 74 925 caractères · 145 écrans
第四〇項 鹿児島の怪談
探検者はますますこれを怪しみて、なにげなく群集に押されたる風を装い、突然彼と衝突せしに、彼が左袂には確かになにやらん堅きもの二、三個入れおけり。よって探検者は、怪聞の原因を左のごとく説明せりと。
一、降下せる石塊はいつも同一の人間に拾い上げらるること。
一、拾い上げたる人の袂には石塊を入れあること。
この探検談によって、一層人為なることが明瞭である。
第四〇項 鹿児島の怪談
近く大正年間になって鹿児島に起こった一怪事も、ややこれに類似している。ここに『鹿児島朝日新聞』を抜粋しようと思う。
市内永田町、山下虎之助氏宅に過般来怪奇の出来事あり。春の日の吹く風生温く、人の気も変になろうとする真っ昼間、机の上の絵の具がスーッと消えて、井戸の中に血のごとく溶けていたり、化粧瓶がひとりでに走り出したり、ハッと思うと大きな石が音もなくコロコロと座敷に転がり込んでくるという、誠に物騒千万な話。家族はとうとういたたまらず、去る八日、冷水町へ移転してヤレヤレと安心の胸なでおろし、その日ばかりは事もなく過ぎた。近隣の人も、さては家屋敷に因縁があったのだろうと噂していたが、中には行くさきざきまで気遣って、人の疝気に気をもむ連中も少なくなかった。