Classiques japonais avec furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lisez おばけの正体 (おばけのしょうたい) de 井上 円了 (いのうええんりょう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 74 925 caractères · 145 écrans
第九二項 魔鏡の話
かかる動揺を与うるために衄血の流出を見るのである。すべて溺死の場合のごときは、鼻孔内の血管が破裂して内部に出血しておるから、たとい他人でも、その体を動かせば必ず出血するわけである。これを親類に限ると思うは、愚俗の迷信と申さねばならぬ。
第九二項 魔鏡の話
わが国の神社仏閣に保存せらるるものに、魔鏡と名づくる鏡がある。その鏡たるや、光線のこれに触るるときに、その面より種々の影像や文字が反射して現出する不思議の鏡で、あるいは観音の像を反射し、あるいは六字名号を反射するの類である。余も実視したことがあるが、近来は新しくこの鏡を作りて、田舎の人に高く売りつけるものがいる。余が先年、豊後の玖珠郡の山間にて、ある農家が高価に買い入れたのを見たことがある。田舎にいて理学の道理を知らぬものは、実に不思議に思うに相違ない。今その原因を申さば、鏡面より反射するところの幻影は、全くその裏面に仏像あるいは名号が凸形に打ち出されてあるからだ。もし裏面に多少の凹凸あるときは、その鏡面を研ぐ際に、自然に表面に分子の密なる所と疎なる所とができるわけだ。裏面の凸所に当たる所をみがけば、その点だけは密になる道理である。